ウィンドウ


1.ウィンドウとスクリーンレイアウト

(1)モデルとウィンドウ

3次元モデルを作成する空間(モデル座標系)でどの方向からモデルを見るかを決めます。
その方向をZ軸として考え、この空間を’ユーザ・ビュー空間’と呼びます。
この空間のX軸、Y軸で構成される平面を’ビュー平面’と呼びます。
また、視線方向つまりZ軸方向を’ビュー方向’と呼びます。
ビュー平面上で、モデルを作成する領域(MIN−MAXエリア)を設定したものを’ウィンドウ’と呼びます。
ウィンドウとは、モデルをいろいろな方向から見るための窓と考えます。

(2)レイアウトとビューポート

スクリーンをどのように分割するかを’レイアウト’と呼びます。
また分割されたそれぞれの区切りを’ビューポート’と呼びます。
ビューポートは矩形です。
ウィンドウ内のモデルを、このビューポートに写すことでモデルがスクリーンに表示されます。

新たにモデルの作成を始める場合は、まず最初に次の設定を行います。
(a)スクリーンを分割する。
(b)分割された各部分(ビューポート)にウィンドウを貼付ける。
ここで(a)は’レイアウトを設定する’、(b)は’ウィンドウを配置する’と呼びます。

2.ウィンドウの定義

ウィンドウとは、モデルをいろいろな方向から見るための窓と考えます。

ウィンドウの大きさ、見る方向などを、モデルに合わせて定義します。

1モデルにつき、異なった名称で31個まで定義できます。

ウィンドウは、ウィンドウ(WIND)コマンドで設定、変更します。

(1)名称

ウィンドウ名称は、半角の英数字、記号で8文字まで入力できます。

(2)視線方向(ビュー方向)

次の2とおりの設定方法があります。
・ウィンドウのY軸、X軸、Z軸 を回転する。
・モデルの外郭を回転する。
(a)ウィンドウのY軸、X軸、Z軸を回転する。
座標軸を回転して、任意の視線方向を設定します。回転の角度は、軸を中心に反時計回りを正とします。

・モデル座標系を、Y軸(垂直方向)を90度、X軸(水平方向)を90度、回転した場合

Space-E/Drawには、標準として次の4つのウィンドウがあります。

・モデルの外郭(ガイドモデル)を回転する
モデルを回転させて、その傾きを見ながらウィンドウを定義します。
通常、モデルは多数のアイテムで構成されているので、そのすべてを回転させるとウィンドウを定義するためには多くの時間がかかります。
そこで、モデルの外郭を表すアイテムをガイドモデルとして指示します。
そのアイテムを軸にして任意の角度に回転させ、ウィンドウの視線方向とします。
ウィンドウのMIN−MAXエリアは、もとのウィンドウと同じ大きさで設定されます。

(3)MIN−MAXエリア

モデル全体が入るように設定したり、モデルの一部が入るようにウィンドウの大きさを設定します。
ウィンドウの大きさは、ビュー平面上の最小値(左下座標値)と最大値(右上座標値)で設定することから、’MIN−MAXエリア’とよびます。単位はmmで、長い方の寸法で正方形になるように自動修正されます。
大きさは同じであっても、入力する座標値が違えば、その平面でのウィンドウの設定場所は異なることになります。
初期設定は左下(−16384,−16384)、右上(16383,16383)です。

(4) スケール

図面の尺度にあたるものです。
モデルは実寸方法で作成します。これを作図機に出力するときに、用紙サイズを考慮して1/20、1/30、1/100といった尺度を使用します。
尺度が1/100なら’100’、5/1なら’1/5’と入力します。初期設定は1です。
図面上の文字、シンボル、寸法線、仕上げ記号は、尺度に関係なく設定した大きさで表示されます。

3.レイアウトの設定

(1)スクリーンを分解して、レイアウトを設定します。

Space-E/Drawには、次の5種類のレイアウトがあります。

(a)から(d)はSpace-E/Drawでの標準のレイアウトです。
(e)の自由分割は、それぞれのビューポートの左下と右上の座標値を設定すると、4分割まで自由に分割できます。

(2)設定したレイアウトは名称をつけて登録しておくことができます。

・レイアウト名称は、半角の英数字、記号で8文字まで入力できます。
・レイアウトは31個まで登録できます。
・Space-E/Drawには、標準のウィンドウを配置した次のレイアウトがあります。これらはレイアウト(SLO)コマンドで呼出すことができます。

(3)分割したそれぞれのビューポートには、スクリーン番号が付けられています。

4.レイアウトとウィンドウ

スクリーンレイアウトで分割した各ビューポートに、定義したウィンドウを配置してモデルを表示します。

1つのモデルに対して、ウィンドウは31個まで定義できます。表示は、同時に4個までできますが、他にすぐに配置して表示できるウィンドウが2個あります。

(すぐに配置できるのは、6個です。)

5.ウィンドウモードとウィンドウアイテム

ウィンドウモードとは、アイテムが作成できるウィンドウを指定するもので、’ウィンドウモード’をオンにして作成したアイテムを’ウィンドウアイテム’と呼びます。

これは、ある一定方向(ウィンドウモードを設定したウィンドウ)のみから見ることができるアイテムです。

オンになったウィンドウの枠は白色に変わります。

特に、文字、寸法線、ハッチングなどのアイテムを作成するときに設定します。

あるウィンドウモードをオンにしていても、入力はすべてのウィンドウから行えます。

また、ウィンドウモードで作成されているアイテムの座標値は3次元です。

ウィンドウモードのオン、オフはウィンドウ(WIN)コマンドで設定します。

(1)ウィンドウモードがオンからオフの間に作成したアイテムは、すべてウィンドウアイテムになります。

次のアイテムは、必ずウィンドウモードをオンにして作成してください。
・多角形
・文字
・シンボル
・寸法線
・仕上げ記号
ビューポートが1つの場合は、自動的にウィンドウモードがオンになります。

(2)ウィンドウモードをオンにして作成した閉図形(円、多角形)は、中塗り属性をもちます。

中塗りの種類はシステムメニューのミスク(CMMS)コマンドの[コマンドミスク]−[ハッチング]で設定します。
ハッチング(HATC)コマンドで作成した閉図形の中塗り属性が変更できます。